リョーマの中にいた南次郎・・・・


ゲーム 日本 1-0!!


試合を見て、プレイを見て、三船が断言する。

「現役の”サムライ南次郎”だ
ガキの身体を借りて・・・
あのテニスが今ここに蘇りおったわ」


(悪いなチビ助・・・・この真剣勝負だけは誰にも譲れねぇ)


待ち望んだリョーガの挑戦が始まろうとしている。

(打球を強烈に地面に打ち付ける事で
サムライゾーンの回転支配を和らげる
やるじゃねぇかリョーガ・・・
正解だ!!)

緩んだゾーンの返球の威力にリョーガは南次郎の逆サイドへボールを打ち込む・・・

しかし即反応する南次郎・・

(誘うかよっ)


フリオ「あんな・・・楽しそうにテニスをするリョーガを見たのは初めてだ」


メダノレ「実は・・・南次郎から口止めされていた事がある」


★・・・・・★・・・・・★


10年前

幼きリョーマと南次郎がいつものようにコートにいた・・・


きれいなバックスライスで南次郎へ返球するリョーマ

「やるじゃねーかリョーマ・・・
そんなバックのスライスいつ覚えた?」



「え・・・知らないよ?」

後に気づく・・・

南次郎は、バックのスライスを打てなくなった・・・

★・・・・・★・・・・・★


メダノレ「対戦相手の技を奪うあの能力は
越前リョーマにもあったらしい」




★・・・・・★・・・・・★


リョーマと打ち合った後、自分のテニスが上手く行かなくなる
そう南次郎が疑問を抱いた。

そしてリョーガを養子に迎えると、
リョーガとも打ち合いをする中で確信に変わる。


(ま まさか お前もなのか?)

(偶然なのか血縁だからなのか理由は分からないが
リョーガとリョーマは真剣勝負をすることで相手の技を奪ってしまい
相手は永遠にその技を失ってしまう)




リョーガにだけ事情を話し、

リョーマとの真剣勝負をしない約束をした。



まだ幼かったリョーマは疑問を持つ。

「ねぇ父ちゃん・・・兄ちゃん最近真面目にテニスしてくれないんだ
チビでヘタクソだって・・・そんな事ないモン!!」


絞り出すようにリョーマに言葉を選ぶ南次郎

「なぁリョーマ・・・
スポーツはテニスだけじゃねぇ
もっとお前にあったスポーツを・・・」



涙を流すリョーマにハッとする南次郎・・・


「なんで・・・そんなこと言うのさ?
テニスがいいんだ絶対っ!!」


コートで無心でボールを打ち続けるリョーマ・・


「父ちゃんのでべそ!!  バカァ!!」


フェンスの上からリョーマへオレンジを放るリョーガ

「荒れ果ててんなチビ助」




「兄ちゃん・・・
オレ 絶対
父ちゃんみたいなテニス選手になるって決めたんだ
見てるお客さんがワクワクドキドキして・・
皆に”キモウ”をあたえるかっこいい選手に」


「希望な♪」

「なのに父ちゃんテニス以外のスポーツやれって言うんだ!?」


それを陰で見ていたリョーガが決意する・・・


”相手のテニスを奪う能力を
気付かれない様に同じ自分の能力で奪う。


そしてリョーマの元を離れ叔母の家に引き取られる。


全ては大好きな弟のために




数か月後・・・スペインの叔母の家・・

「しかしデッケーお屋敷だな・・・羨ましいぜリョーガ」

叔母「待ってたわナンジロー 今年もスペインの大会に来てくれるなんて・・・
食事してって リョーガくんとご馳走いっぱい作ったのよ」


「そりゃ楽しみだ♪
その前に・・・ちょっと久々にやるかリョーガ」



「うん!!」

ラケットを持ち出しラリーをしながら会話を交わす


「最近どうだ?」

「ボチボチやってるよ・・・みんな優しいし
俺はチビ助と違って起用だから

真剣勝負しなけりゃ全然OKだよ」




「リョーガ

俺な・・・・・・

現役引退しようと思ってる」

★・・・・・★・・・・・★



(自分を犠牲に全て背負いやがって

このバカヤロウ)



(な〜んも後悔はねーよ
今が 最高だからよ!!)


南次郎がリョーマが幸村戦で初めて見せたあの構えに・・・

即座に前へ出るリョーガ!

(サムライドライブに引かずに前へ・・

いいテニス選手になったなリョーガ


ありがとな!!)


リョーガの楽しんでいた笑顔が消える・・・


「チ チビ助!?」


目の前に倒れこむリョーマの姿・・・

すぐに自分の変化に気づく・・・


(なんでだよ・・・
なんで・・・)



自分の背後に、リョーマに見た侍の影が・・・・



(父さんまで奪っちまった・・・)


「なんで・・・いつもこうなるんだ・・・よ」



静寂を包む会場。


倒れたままのリョーマ


うなだれたまま
リョーガの後悔と嗚咽だけが響きわたる・・・


★・・・・・★・・・・・★

「現役引退?
まさか・・・俺のせい?」


「いや・・・そうじゃねぇ
俺よりもっとデッケー夢を持った奴がいやがった
そいつはいつだってテニスに対して真っすぐで諦めが悪くて・・・
だからこそ俺にとっても・・・
そう 俺やお前にとっても必ず希望となる筈だ」



★・・・・・★・・・・・★



その、南次郎が希望を託した
大好きな弟のリョーマのテニスを

今、自分が全て奪ってしまった


涙を流しながら呟く。

「もうやる意味ねーよ・・・」


(テニスなんてよ)




誰も言葉をかけられずにいた。


一人、会場を去ろうとするリョーガ


自分に投げかけられた声に振り返ったリョーガも驚く・・・


「諦めんの?」


リョーマはゆっくりと起き上がった・・・



次号へ続く!!