見えない目でチェスのコマを盤上で動かすノア。
日本は攻撃的な二人を当ててくるとズバリ言い当てた・・
「どれだけ・・・・・・
攻められても
決して崩されることなき「鉄壁の守備(アイアン・ウォール)の二駒を―ーー」
返球を続ける真田と幸村ではあるが、オーストラリアの後ろへボールを射貫くことが出来ない・・
不二「あのオーストラリアの選手二人 とんでもないコートカバーリングだね」
鬼「テニスにおいて鉄壁の守備は言わば最強
近年トッププロの世界でも抜群の守備力からのカウンターを得意とする選手が上位を占めている
ボルグがいい例だ 角度のあるカウンターが返ってくるため
攻撃側はより厳しいコースを狙い続けなければなくなり体力 気力も消耗しミスを多発する」
ジャン「これが「鉄壁の守備(アイアン・ウォール)」の強さだ
スマンな
どれだけ攻めようと
俺たちの「鉄壁の守備(アイアン・ウォール)は敗れないぞ」」
幸村「・・・攻める?」
(俺たちはまだ攻めてなどいないよ そうだよな 真田・・・・・・)
クリスに異変・・・音が・・・聞こえない・・・
すぐさま異変を察知する主将のジャン
「どうやら聴覚が奪われ始めたようですね」
真田「刻は来たようだな・・・幸村」
二人の変化を感じ取った跡部・・・
「いよいよ・・・あの二人のテニスが始まったじゃねーの」
大曲、種ケ島戦の時に起こした黒きオーラが真田を包む・・
「おおおおおっ 黒龍一重の斬!」
ジャンの手前でボールの軌道が変わる!!
すぐさま天へ向かって変わった軌道へジャンピングスマッシュで対応しようとするジャン・・
しかし再びジャンを避けるように軌道が変わる!!
大曲「あのヤロウ・・・しっかりダブルクラッチを間に合わせたかよ」
幸村
(一度打った打球を黒色のオーラに包み初夏事で自在に操作することができる
一度だけでなく二度も・・・それがーーーー)
真田「黒龍二重の斬」
ジャン「相当集中しているな あの二人 アウェイお構いなしか すまないクリス
しかし彼等 とんでもないことをしてくるな」
クリス「あぁ・・・一度打った打球を二度曲げてくるとは・・・」
真田「サーブを打ったら前を頼むぞ」
幸村「相手はまだお前打球についていけてないね
その方が良さそうだ!この流れでゲームをものにする!」
真田「ああ このまま攻めきるぞ!!」
幸村(強くなったね真田-――この完全アウェイの空気を一瞬で変えてしまった
黒龍二重の斬 あの高校生との敗戦からお前の血の滲む特訓と苦行を乗り越えていく姿をずっと見てきた
本当にお前を尊敬しているよ!!)
「行くぞ真田っ!!」
「任せておけ幸村ぁ!」
再び黒龍一重の斬を放つ真田・・
ジャン(一度目の変化なら対応できる だが返球体制に入り二度目への対応は不可能 ならば―――)
目を閉じ、一度目の変化を見ぬままスルーするジャン・・・
そして二度目の軌道へと変化した瞬間・・
クリス「主将(キャプテン)!今だぁ!」
目を開き即座に二度目の変化のみに対応し返球するジャン!
しかし、二人は焦らない。
幸村「大丈夫、脅威ではないよ
二度目の変化と同時にラケット面を合わせかろうじて返球したに過ぎない」
再度、「黒龍二重の斬」で返球すればいい・・・
しかし・・・
オーストラリア代表が取った策は・・・
青学黄金ペアが得意とするオーストラリアンフォーメーション!
しかし、大石、菊丸と違うのは攻めとかく乱を目的としたものではなく、
守備に特化したオーストラリアンフォーメーション。
「黒龍二重の斬」二度目の変化の後、
変化の方向をカバーしあうかのように前へ詰め返球・・・・
真田(完全に対応されている)
そのままゲームは5-1と後がなくなる・・・
丸井「鉄壁の守備からのカウンターコンビネーションだろい」
白石「付け入る隙が全くあらへんな」
種ケ島「不運な奴やな・・・折角ダブルクラッチ完成させたのに」
大曲「こんな形で二人掛かりで破られてりゃ世話ねーし」
三津谷「ショックは大きいですね」
静まり返っていた会場は再びオーストラリアへのエールで埋め尽くされる・・・
ドルギアス「弱ぇ」
神の子と皇帝が追い詰められている・・・
しかし当の二人の間には焦りなどなく・・蘇る記憶があった・・・
幸村「前にも・・・こんなことがあったね ゲンイチロー君」
真田「ああ・・・俺も思い出していたとトコだ 幸村」
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少年時代の二人・・
「ゲンイチロー君 ダブルスの相棒(パートナー)いないのかい?」
「あ・・・うん えっと・・・・・・」
少年真田へ爽やかな笑顔で話しかける幸村・・・
「良かったら一緒に組む? 幸村精市だよ」
まだ小さな頃、テニススクールで二人は出会った・・・
次号へ続く!