ドイツの街を走る二人の影・・・
一人はドイツのU-17代表主将、
ユルゲン・バリー・ザヴィチ・ボルグ・・・プロの選手である。
その後を付いて走るのはプロを目指し日本から渡って来た手塚国光だ。
(きた!手塚国光、約4年ぶりの原作登場!手塚ファンの皆様、おめでとうございます!)
「どうした?バテたのかクニミツ」
「いいえ」
息一つ乱さず給水するボルグ、息を切らす手塚・・・
「なら行くぞ」
「はい!」
ドイツの代表が顔を揃えるドイツテニス協会のミーティング・・・
ボルグ「U-17W杯9連覇中の我々ドイツ大表には
チーム創設以来初の3人のプロ選手が出場する!
奢りや重圧(プレッシャー)を持っている選手は・・・・・・・・・捨てろ!」
U-17ドイツ代表 参謀 Q・P
「続いて私から対戦国の最新データを 要注意はやはりスイス
現在プロとして活躍している主将のアマデウスをはじめタレント豊富さNo.1だよ
フランスのカミュは独創的な戦術家さ 彼の登場で世界のテニスのスタイルが大きく変わるかもしれないね」
ボルグ「アメリカはどうだQP?」
「ラインハートの卓越した精神とキャプテンシーは要注意
他にも気になる選手が何人かいるかな あとは日本などが力をつけ始めているよ」
ボルグとのトレーニング・・・室内コートでボルグに球出しをする手塚・・・
そこに一人の男が・・
ジークムント製薬会長 ジークムント・プープケ(78)
所謂、ボルグとプロ契約を結ぶスポンサーである。
「誰だね・・・ボルグに球出ししてるあの日本人は?」
トレーナー一人が解説する・・
「クニミツ手塚
プロになる為に日本から来たそうですよ」
「ほうプロにねぇ しかしボルグくんがトレーニングパートナーにあんな少年を・・」
(半分小馬鹿にしているのかニヤケ半分もいいところである・・・。)
ボルグ「クニミツ・・・コートに入ってみろ」
ジークムント「試合か?プロを目指す資格があるかワシが見てやろう・・・フフフ」
(やはりまだ笑っている・・・このおっさんめ部長をバカにしおって・・)
手塚がサーブを放つもいとも簡単に返球され一歩も動けずリターンエースを奪われる手塚。
「ぼんやりと試合に入るな 集中しろ!」
「はい」
百錬自得の極みを使い、手塚ファントムを使い、まさに集中、本気でボルグに向かっていく手塚・・。
「何だコイツは・・・」
ジークムントの半笑いが消える。
「そうだクニミツ!!試合序盤こそ相手を恫喝するが如く攻撃し優位に立て!」
「違う!!グリップと肘の形を考えろ!!」
「攻めが淡泊だ!常に考えて相手の思考を上回れ!!
攻めきれなかった時の落胆を引きづるな!!忘れるのも技術だ!!」
杖の持手が震えるジークムント・・・
「ありがとう・・・ございました」
「足腰の鍛錬が甘い だから後半ショットがブレるんだ
坂道ダッシュ300本行ってこい!!」
「はい」
「やぁジークムント 契約更新のサインの件か?」
「ああ・・・それもあるがボルグ・・・
我がジークムント社に
「クニミツ手塚」とプロ契約を結ばせて貰いたい」
立ち上がりその場を立ち去ろうとするボルグ・・
「彼にはトップクラスとの経験が絶対的に不足している
今プロになってもボロが出るだろう
その話はクニミツがもうワンランク成長してからです
我々とドイツ代表としてU-17杯を制覇した後で」
(やはり!手塚はドイツ代表として日本に立ちふさがるのか?)」