U-17ワールドカップ 決勝戦、
イレギュラーで行われるシングルス1


アントニオ・ダ・メダノレ VS 徳川カズヤ

会場には、メダノレ選手が二人現れた。


プロであるメダノレが二人いる。


「何でメダノレ選手が二人おるんだ!?」

会場は騒然とするが・・・


「我々は共にアントニオ・ダ・メダノレなのだよ」


動揺が走るスペインベンチ。

「どうやら・・・スペインの奴等にも秘密にしてた様だぜ」



しかしこの状況を会場で揺るがずにいるのは、

メダノレ本人と、もう一人・・・



「俺はどちらでも構わない・・・
試合を始めましょう
アントニオ・ダ・メダノレ」


徳川の一言で互いにコートにコートを挟んで向かい合う・・



サービスゲームは、徳川から・・

ベンチに座るメダノレ
(戦う男の面構えになったな・・・カズヤ)


「俺はアナタ達を倒すことが恩返しと信ずる」

コートに立つメダノレ
「フフ・・・叶わぬ夢よ!」



トスを上げ、サーブを放つ!

「ならば試してみるがいい!!」


激しいラリーが始まる・・

そして、世界を回り、異次元の強さを手にした平等院は知っていた。

世界を対戦して回る標的のなかにメダノレもいた理由を・・・



「気を付けろ徳川
奴の強さは『相手の時間を奪うテニス』
そう まるで止まった時間の中を支配できる刹那のテニスだ!」




メダノレ「その刹那お前は驚く事すら許されない・・・」


『時間泥棒(ラドロン デ ティエンポ)』



徳川の、いや、会場の時が止まった。


止まったままの徳川へコートをまたぎ、
徳川の周りをぐるりと駆けて自分のコートに戻りショットする。


「かのゲーテは言った
能ある者はそっと黙っていよ・・・と」



時が戻る。


徳川の足元をボールが抜いてく・・・

しかし・・・



「その言葉 そっくりお返ししますよ!」


攻撃を読んでいなければ出来ない仕掛け。

射貫かれたコースにはブラック・ホールが仕掛けてあり、
そのボールはその場で止まっていた・・・


 15-0 !!


無言のメダノレ



スペイン出場選手をトーナメントで決めたとき、
確かに消えたように見えたものが・・・

デューク「私が破壊した徳川くんの阿修羅が」

平等院「あ あれは・・・千手観音!!」



★・・・・・・・★・・・・・・・★


打ち合いの中、徳川の脳裏によぎるもの・・

テニス留学をしていた時。
徳川はメダノレと交流があった・・


とある灯台でその事実を知る。

「ずっと俺を・・・・・・世間を騙してたんですか?」

兄のように思っていたのに」


徳川を振り返る二人のメダノレ・・・


★・・・・・・・★・・・・・・・★



激しい打ち合い・・・一方的にゲームを進める徳川・・


ゲーム日本 3-0!!


まさかの3ゲーム連取、
徳川に沸き立つ会場・・


フリオ「やはり決勝まで温存していた切り札だけに強いな・・・徳川カズヤ」

ロミオ「しかしメダノレ選手には驚いたよ」

シルバ「実はフリオが違和感に気付き
色々勝手に疑って調べ回ったり申し訳ない事を・・・」


ロミオ「フフ・・・気付いていたよ尾行がヘタな二人にはね」


フリオ「ならちょっとは相談してくれても・・
良かったんじゃないか親友(メボルアミーゴ)☆」


薄く微笑んで詫びるメダノレ
「・・・・みんなに黙っていた事
本当にすまなかった」



マルス「ホラッ 今はチームが一丸となって勝利する
それだけに集中しましょ!!」

セダ「姉さン・・・アイツ帰って来たヨ」

リョーガ「ただいま帰ったぜ!

おりょ〜 メダノレの旦那が0-3ってマジ!?」



メダノレ「お帰りリョーガ・・・ナンジロー監督の容態はどうだった?」

「取り合えずヤマは越えたみて〜だから俺は戻って来たけどよ
・・・チビ助はまだ・・・」



心配とまどろみの中・・・


これまでの南次郎との日々が浮かぶ中。。



「・・・おいリョーマ 起きろよリョーマ!」


「テニスがお前を待ってるぜ」


目の前には南次郎が・・・

南次郎・・・復活・・・なのか!?

次号、表紙&巻頭カラーへ続く!