ちっちゃい頃 大好きな兄貴がいた
二人はいつも一緒だった
しかし兄貴は突然姿を消した
オレンジにメッセージを残して
同じ国で戦うことはたったひと時だった。
今は、世界の頂点の大事な勝敗をかけてコートを挟んで向かい合う。
しかしそれは、
感動の再開・・とは言えなかった。
「テニスを続けてたら
ようやく会えたよ
他人のテニスを奪う最悪の兄貴にね!」
「おおっチビ助!
あのオレンジに描いたメッセージまだ覚えててくれたのかよ〜っ!
くぅ〜っ 泣けてくるぜ!」
「なんで世話になったラルフのテニスまで?」
真剣な問いかけも飄々と続ける。
「でもアメリカ代表出てった時は兄ちゃん寂しかったぜぇ〜っ
ホームシックになるなんてやっぱ・・・」
「ねぇ・・・始めるよ・・・真剣勝負!!」
第3試合
越前リョーガ(スペイン)
VS
越前リョーマ(日本)
の試合を始めます!!
「ちょい待ち!」
南次郎が、おそらく止められないであろう間際に、
相手国の選手であり、息子に問う。
「おいリョーマ そいつと真剣勝負をすればテニスを奪われる・・・
テニスを失ってもいいのか?」
「カッカッカッ
父さんよほど俺と試合させたく無いみてーだぜ」
「親父・・・・本気でなきゃ意味がないね」
いつもの笑みで、南次郎へそリョーマの片江を示す・・
「そう・・・か」
カミュ「スペインと日本 1勝1敗でシングルス2は・・・
あのテニスの王子様・・・だね
相手チームの監督が父親で
そして兄弟対決か
プランス「随分と因縁絡みの一戦だな」
切原「対戦相手の技を食らっちまう越前リョーガ
そんな超やべぇ奴が日本代表合宿にいたんですか!?」
入江「お世話になったアメリカ代表をも捨てたのは
彼らのテニスを奪いたくなかったから・・・かもね」
鬼「スペイン代表なら何故奪ってもいいんだよ?」
試合開始・・・リョーマのサーブ・・・
技を出さず、真っ向から打ち合うリョーマ
技を出せば食われるなら、技を出さずにシンプルであり力強いプレイすることを選ぶ・・
「カッカッカッ マジかよ
何の技も出さず勝つつもりじゃねーだろうなチビ助!?」
唯一使い始めた業は・・!
鬼「そうか テニスがの楽しい位気持ちの
『天衣無縫の極み』が技ではないから
決して奪われる事は無ぇ!!」
遠山「行ったれコシマエ〜っ!!」
「・・・甘いぜ チビ助」
天衣無縫輝きが消え・・・
その輝きはリョーガに・・
「天衣無縫が奪われた・・・」
鬼 『天衣無縫の極み』が奪われちまった!?
しかし即座に、リョーガは気付く・・
そして、南次郎も・・・
南次郎(リョーマ・・・)
リョーガ「俺に・・・」
南次郎(ずっと待ってやがったのか・・・
俺の・・・サムライ南次郎の模倣のテニスと
俺の目の前で滅別する為に)
リョーガ「ワザと天衣無縫を食わせやがった」
リョーマ「さぁ本気で行くよ!」
リョーガ「お前のテニス 見せてみな」
南次郎(フッ・・・二人共頼もしく・・・な・・・て・・・
・・・・・・・・・
き・・・やが・・・が
・・・な・・・)
南次郎・・・・
倒れる・・・
☆・・・・・★・・・・・☆
救急病院へと運ばれる南次郎・・・
リョーマ「とりあえず一命は取り留めたみたいだって伝えて来た
母さんもこっちに来るって」
リョーガ「そうか・・・しかし脳動脈瘤とはな
すぐに診て貰えて良かったぜ」
リョーマ「親父 オーストラリアに来る前から・・・前兆があったみたい」
リョーガ「俺がもっと早く気付いていれば・・・」
許斐先生、この細かい伏線がこんなに重いものだったとは・・・
リョーマ「ねぇ・・・メダノレって人何者なの?
親父が助かったのあの人のおかげでしょ?」
☆・・・・・★・・・・・☆
突然フラつきはじめる南次郎・・
「ちょっと親父?試合中なんだけど・・・
・・・ったく そこまでしきて兄貴と試合させない気?」
奪った天衣無縫の輝きを放ち高笑いをするリョーガ
「ナ ナンジロー」
越前兄弟よりも、事を大きく見たメダノレが南次郎に駆け寄る
フリオ「メ メダノレ・・・」
メダノレ「フリオッ 救急車を早く!!」
リョーマ「え?」
担架で運ばれていく南次郎へ・・・
リョーガ「メダノレさんよぉ
大袈裟じゃね〜か?」
メダノレ「何も無ければそれでいい」
リョーマ「アンタ・・・何でそこまで親父の事?」
「ナンジローには恩がある・・・」
会場、そして両国に混乱がめぐる。
病院へ運ばれたスペイン監督、
そしてその監督の子供であるS2の対戦カードデある
二人の兄弟は病院ヘ付添って居なくなってしまった。
コロン「試合 どうなるの?」
メダノレ「本来ならお互い控えの選手で試合を行う所だが
協議の結果−−−−
今回は状況が状況なだけに
両チームが良ければ先にD1の試合に変更しても構わないそうだ」
どうするフリオ?
フリオ「どうするって・・・監督がいない今決めるのはキャプテンだろ?」
「そうだ 決めるのはキャプテンだ
スペイン代表の本来のキャプテンは・・・
キミじゃないのか フリオ・ロマン!!」
☆・・・・・★・・・・・☆
ゲームセット!ウォンバイ
SOLアカデミー!!
長身を生かして強烈な”狙撃”を得意とするマルス・デ・コロン
パルクール技で縦横無尽にコートを駆け回れる シルバ・セラ・バンビエーリ
そして天性のオールラウンダーでコントロールの名手 SOlアカデミーのキャプテンのフリオ・ロマン
同じアカデミーで3人が揃った強固なチーム、
そしてそのまま3人はスペイン代表に選ばれた・・
「今年のキャプテンはロマンくんキミしかいない!!
コロンくんにバンビエールくん、それに今年はヨーロッパJr.大会優勝の中学生もいる」
「メダノレは・・・!?
アントニオ・ダ・メダノレ選手は参加しないんですか?」
「声は掛けたが断られてしまったよ
でも彼が参加するとしてもスペイン代表キャプテンはキミに・・・」
「その話・・・少し待って貰っても良いですか?」
諦めきれない・・・
夜のテニスコート・・・
「ヤッホー 前回のU−17杯以来だな メダノレ選手♪」
「フリオ・ロマンか・・・スペイン代表の勧誘なら結構だよ」
「そう言うなって 今年の代表は凄いぜ!」
マルスとバンビちゃん
お前も知ってるよな?
それに今年は凄ぇ中学生が二人参加するって話だ!!」
でも王者ドイツを倒すには
・・・あと一歩 あと一歩なんだ」
「キミがいるじゃないか?
バンビエーリもマルスも強いがあのアカデミーをまとめ上げ
優勝に導いたのはキミの実力だよ」
「まぁ・・・それ程でも・・・じゃなくて
俺はお前と同じチームで戦いた・・・」
「俺は・・・『一人』でいい
すまないが帰ってくれ」
翌日・・・
メダノレ「また来たのか フリオ・ロマン?
代表には入らん 昨日も言われなかったか!?
バンビエーリを連れて来ても駄目だ」
バンビエーリ「私は別にフリオと練習帰りなだけで・・・
メダノレ選手にスペイン代表に入って欲しいとは思ってませんが」
ロマン「コラコラッ」
メダノレ「かのゲーテは言った
『活動的な馬鹿より恐ろしいものは無い』と!!」
「やはり駄目か・・フリオ?
かのゲーテってヤツいいな♪」
また翌日・・・
「・・・しつこいな またお前達か」
「お〜〜いメダノレ 今日はいい作戦を考えたぜ!」
かの諸葛孔明は言った
『才能ある人材を招く為には自ら三度出向いて礼を尽くせ』と!!
俺たちも何度だって来るぜ親友!」
しかし・・
メダノレ「フリオ・・・『三度の礼』は
劉備が諸葛孔明に対し行ったとされる中国の故事だ
諸葛孔明ではない」
ロマン「えっ そうなのか?」
コロン「まさか良い作戦ってコレ?全然ダメじゃない!」
メダノレ「日本古来の伝説では英雄の傍に
犬と猿と雉がいるそうだ
わかったよ 俺もスペイン代表としてU−17W杯に参加しよう」
喜ぶ面々だが・・・
「−−−−−−だが
代表監督のナンジロー・エチゼンは俺を試合には出さない
2年前もそうだった・・・」
「わかった・・・俺達D1が先に行く
ロマン「『能力共鳴』をも使いこなす東洋のツインタワー
相手にとって不足なしだな相棒!」
「さあ 世界一のダブルスを決めようぜ」
変則的に、、D1 開戦!!
次号へ続く