追い詰められたセダに起こる変化・・・



『オリンポス虹色の光(イーリスポース)』


ゼウスが目を見張る

身体から放たれたオーラがゼウスそのもの・

「何故あの少年がゼウス様と同格のオーラを・・・!?」



「何人たりとも逃れる事は不可能なんだヨ」


「ほらセダちゃん・・・監督の言った通りでしょ?」

セダ「・・・うン

絶体絶命になればなる程
ボク達は強くなれるんだネ」




幸村(確かに『越前リョーマ』がどんな絶体絶命のピンチに立たされても
そのたびに立ち上がり必ず勝利を掴み取る姿を俺達は間近で何度も見て来た)



★・・・・・・・☆・・・・・・・☆

南次郎へ、リョーマが幼き日に問い掛けたこと。


『どうしたら父さんみたいに強くなれる?
じゃあ俺が大きくなったら絶対教えてね!』



★・・・・・・・☆・・・・・・・☆


リョーマ 「まさか親父がオレを・・・子供の頃から」

ニヤリと戦況を見届ける南次郎。

フッと目を閉じるリョーが・・



不二「世界を震撼させた伝説のテニス選手
『サムライ南次郎』によって
チーム全員越前のように育成されているとしたら・・・



スペイン代表 とんでもなく厄介な相手だよ」




大曲「知ったこっちゃねーし」

(お前らの判断力 そのオーラごと 削り取ってやんよ!)



『荒使虎(あらしこ)』


それでも返してくるセダ・・


「大曲の兄ちゃん あと4ポイントド根性見せやしぃぃ!!」


『双竜掻き落とし!』



「ほな!ほな!


ほなぁぁぁーーーーーっ!!!」

このまま押し切れるか・・・!?



アウト!!



(攻めとんのはワイらなのに)


(ポイントは全てスペインに取られてやがる)



入江「嘘だ・・・ゼウスの時と同じじゃないか!?」


鬼「あっという間に追いつかれちまった!?」


種ケ島「アカン展開や 全てセダ様の掌の上ってやっちゃ」



ゲームスペイン 5-5!!



(何とかしねぇとヤベー状況だ・・・)


種子島と同じく、砂漠の幻影が二人に映る・・


「頑張れ金太郎 オアシスだ・・・」



(修二はゼウス戦の支配された状況を
ペットボトルのキャップをラケットと一緒に握り打ち返すことで
自分でも分からないウレギュラーバウンドを生み出して打破していた)



俺らはあんな器用な芸当は出来ねぇ・・)


思案する大曲にキャップを2個差し出す金太郎。


「兄ちゃんは2個でええのん?」


(金太郎のヤツ 精神的にノーダメージとは・・・
逆にピンチを楽しんでんじゃねーか

不思議な野郎だぜ!!)





ゲーム再開・・・


「狙撃に気をつけろし」


「あいよ!!返球した後頼むでぇ兄ちゃん!」



「あら そんなに 『狙撃』 見たいの?」


(まさか・・・『狙い撃ち(ティロテーオ)』は狙撃じゃ無ぇのか!? 嘘だろぉ・・・)




「完全補足・・・OK?


『狙撃(フランコティラドール)』!!」


★・・・・・・・☆・・・・・・・★




マルスの家族・・


優秀な傭兵で狙撃手・・・幼い頃から強くなるように育ててくれた・・・
そんなマルスは父親の狙撃を見る時間が楽しかった。



父親「完全補足・・・OK!」

マルス「OK♪」


見事に対象の空き缶を打ち抜く。


「マルスはペイント銃な」


「かんぜんほしょく・・・OK」


(でも私には パパにも言えない秘密があった。)


自分の部屋で可愛らしい服装をし、口紅を塗って・・・




母「うん 可愛い〜っ!!
流石私のマルスちゃん?」



「・・・いいの ママ?」

「素敵じゃない 似合ってるわよ ママも男の子の憧れたなぁ・・・
パパがごちゃごちゃ言ったら私がぶっ飛ばしたげるわ!!」




(世界一強いパパ、世界一自分を理解してくれるママの間で、マルスは育った・・)


マルス10歳の誕生日・・
父が戦場で撃たれ、一命は取り留めたものの家族の記憶を無くして帰ってくる。


父親へ自分の”秘密”が言い出せないまま、家族の事を忘れてしまった。


「結局パパに言えずじまいだったよママ・・・」

「大丈夫よ パパ本当は女の子が生まれて欲しかったみたい
俺に似たらママを一人にしちまうからって 

本当に勝手よね
そして女の子だったらテニスを習わせたかったんだって」




それを聞いたマルスはテニスを始める。
父親に鍛えられていた事もあり上達していく。


父親は記憶を失ったままだったが、テニスが、家族を繋いでいた。



ある大会に出場する当日・・・


「えっ 出場出来ない?そんな・・・」


「男子の部に女子の格好をしてプレーするのはちょっと・・・
まああまり相応しくないというか・・・すぐに着替えて来なさい!」


「嫌です!」



「な 何だねキミは!?この大会の出場規定違反で失格にするぞっ!!」

「自分の誇りを曲げてまで・・・パパなら出る必要無いって言ってくれる
失礼します」


「もうすぐ元プロ選手の来賓もいらっしゃる!
さぁ帰った帰った!!こっちは忙しいんだ!」





「待ちなよ・・・・

別にスコート履いたっていーんじゃね?」



「・・・Mrエチゼン!?
お お待ちしておりましたっ!!」


「正直出場規定にんなこと書いて無いぜ〜?」

マルスも、目の前に現れた”来賓”を誰かを知っている。


「コイツは距離や風速を読む能力が人並み外れてる
この逸材を追い出すんなら


・・・
未来のU−17W杯代表候補として
監督の俺が預かるぜ!



そして自分なりの編み出したサーブを披露する・・



「パパママ今の見た!?
ヘヘッ・・・あの『サムライ南次郎』に
サーブに磨きを掛けてみなって言われたんだ
パパから教わった『狙撃』をイメージしてみたの♪




もう一度、披露する


(気温24℃ 湿度35% 距離126m 風向き北北東 風速4m/s・・・)


「完全補足・・・」


刹那、父親が口を開く

・・・O・・・K



”テニスが”家族の絆と、記憶を紡ぎなおした瞬間だった。



★・・・・・・・☆・・・・・・・★


そして、絆を取り戻した『狙撃』の威力とは・・・



(今度は体が痺れて動かれへん!?)


「金太郎が固まった!?」


15-0!!



(これが本当の『狙撃(フランコティラドール)』)



(これを喰らったら10秒は動けねし)


30-0!!


再び 『狙撃(フランコティラドール)』を受け動けなくなった遠山へ

セダが一直線にスマッシュを振り下ろす!!


「憐れだネ・・・(これで再起不能ダ!!)」





目の前に立ちはだかり、遠山を守り大曲・・・


心臓あたりへボールが直撃して倒れこんでしまう・・・



「大曲の兄ちゃん!?」


マルスの驚異の「狙撃」、
セダの追い詰められてからの覚醒・・

大曲、遠山に攻略の術はないのか!?


次号へ続く・・・