スペイン戦に向かう当日早朝、施設の屋上にいた。
その陰には、跡部のことを見守る氷帝のメンバーがいた。
「勝てずして決勝メンバーに残ったこと・・・まだ整理できて無ぇんだろうな」
鳳「俺だったら堪えられません宍戸さんっ」
日吉「下剋上の精神が足りないんだ」
宍戸「朝から屋上で黄昏てる場合かよ跡部!!」
忍足「何や・・・誰か先約がおるで?」
跡部「こんな所に呼び出して一体何の用ですか?
母さん・・・!」
登場、跡部さんのお母様!!!
跡部のお母さま
跡部 瑛子さん(45)
(以下より、"瑛子さん"と表記いたしますm(_)m)
「話はミカエルから聞いたわ
来年からの英国留学はキャンセルすると言ったそうね」
「・・・・・・」
跡部ばりの指パッチンを一つ鳴らす瑛子さん・・
「サキエル・・・例のものを」
跡部のお母様の執事さんはミカエルさんなんですね。
ラケットバッグをよりラケットを取り出す瑛子さん
「俺のラケット・・いつの間に?」
跡部がラケットを手に取ろうとした瞬間、
瑛子さんが問いかける
「アナタがそれを選ぶという事は
来年も日本でテニスを続けるという事ね
英国留学せず家を捨てる覚悟で」
(・・・・・・!)
イギリス留学に驚く陰で見ている氷帝メンバー
しかし、キャンセルするという話もしている・・
瑛子さんから差し出されたラケットをガッシリと掴む跡部・・・
☆・・・・・・★・・・・・・☆
ロミフェルが最後に残した具現・・・
乗り越える壁・・・
「そうだ!!もっと来いよ跡部景吾!!」
リョーマ「跡部さんは今・・・
自分の『具現化』と戦っているんじゃ?」
徳川「彼の能力か・・・」
鬼「強敵(ライバル)の次は自分自身と戦うのかよ!?」
種ケ島「ホンマに厄介な奴っちゃ・・・
ロミオ・フェルナンデス」
戦うのは未来の可能性を持った跡部景吾
(何もかも向こうの方が上だ
テメェの攻略法はテメェ自身が一番分かっている筈なのに・・・
考えろ跡部景吾!!
いや寧ろ・・・このまま奴に攻められていい
今戦っている相手は俺自身の可能性!!
お前の進化を・・・そして未来を・・・
もっとこの俺に見せてみてよ!!
そう・・・次元を超えてな!!)
その可能性を見せられながらも・・・打ち勝つ跡部
ロミオ「まさか自分の中の恐れの『具現化』を全て倒してくるとは・・・」
跡部「ああ・・・俺は次元を超えちまったのかもな」
鬼「次元を超えた?どー言う事だ!」
デューク「ほう やりますなぁ」
入江「す 凄い 跡部くんは・・・未来の自分の強さに追いついたんだ
眼力で未来の進化した自分を体感した事で
彼は今未知の戦略や攻略法を一時的に手に入れた」
跡部「もう遅ぇよ」
打ち合いの中、一瞬ロミフェルが見た姿は未来の可能性の跡部景吾・・・
ゲーム日本 3-3!!
ドルギアス「あの野郎っ とうとうブチ上げやがった!!」
喜ぶ氷帝メンバー・・
「やっぱ俺達の跡部が最高だーーーっ!!」
喜び1年ルーキーズ「来た来た来たでぇ〜っコシマエ!!」
幸村「やっと王様らしくなってきたね」
ゲーム日本 4-3!!
ロミフェル(完全にお前を見くびっていたよ
己の畏怖の念が作り出した『具現化』の5人とただ戦っているものだとボクは思っていた
それがまさか・・・『眼力』で仲間や自分の未来の可能性を見い出し
それと戦う事で超進化を果たし戻ってくるとは!)
南次郎がロミフェルの心境の変化に即座に気づく。
「おいおい 絶対絶命じゃん」
★・・・・・・・・・・☆・・・・・・・・・・★
ドイツとスペインの練習試合・・・
メダノレ「フフ・・・光栄だよ!しかしドイツの栄華も今大会で潰えるだろう!」
ボルグ「お互いにとってU-17杯直前 いい練習にしよう」
Q.P「練習試合の組み合わせはこっちで決めさせて貰ったよ
まずは・・・ビスマルクとマルス・・・」
ロミオ「ちょっと待った! 僕が彼と戦いたいんだけど?」
ジークフリート「はぁ〜!?相手はプロ入りを控えた最強ドイツNo.2なんだよ!!」
ロミオ「Nr.タイブレークって興味深くてな」
ジークフリート「Jrヨーロッパで勝ったからってイキるなよっ!!」
ビスマルク「チッチッチッ・・・構わないぜ 練習試合だしな
スペインの中学生のレベルも知っておきたい」
それぞれの練習試合が終わっていたが・・・
マルス「・・・あら?あの2人まだやってるのね♪」
Q・Pが試合を止める・・
「ビスマルクそこまでにしよう 女スパイにじっくり観察されてるしね」
さらりと言い返す・・・
マルス「あら随分ね ロボット君♪」
ビスマルク「俺はいーけどお前どーする?」
どうやら練習は打ち切られた様子・・・
Q.P「何でタイブレークまで付き合ったんだい?」
ビスマルク「アイツの無限リセットってのがどんなものか試したくてな」
Q.P「それでどうだったの?」
ビシマルク「チッチッチッ・・・そんなのよりアイツは
自ら脳内ホルモンの分泌までも調整し
人体の極限までパフォーマンスを高める事が出来る
実現不可能なミッションに挑む事でな」
★・・・・・・・・・・☆・・・・・・・・・・★
ゲームスペイン 4-4!!
「Vamos!!」
跡部「面白ぇ・・・ロミフェル」
ロミオ「お前もな ケイゴ
ようやくロミオの『具現化』を突破し、ロミオ本人へたどり着き、譲らぬ両者・・
ゲーム、5-5・・・
跡部の姿を静かに見る入江・・・
鬼「・・・どうした入江?」
「前にね・・・彼にこんな事を聞いたんだ
『キミは格好良く死ぬ?
それとも格好悪くても足掻いて生きる?』---って
彼はいつだって勝つために努力し
僕に勝ちきれなかった屈辱を飲み込んでもこの試合に挑んだ
でもそんな努力も屈辱も君達はGenius10は当たり前に乗り越えてるんだよね」
大曲「・・・お前もな」
入江「だけど彼はそれだけじゃ無かった」
☆・・・・・・★・・・・・・☆
瑛子さんから差し出され、岐路の選択というラケットを掴む跡部景吾
・・しっかりと宣言します。
跡部「テニスは続けます・・・でも家を捨てるつもりはありません
俺にとってはどちらも大切なものです!」
瑛子さん「両方を選ぶと言う事は
どちらかだけ選ぶより辛い道になる
それを分かっているの?」
「はい・・・それが俺の覚悟です」
「そう・・・なら仕方ないわね」
建物下よりヘリがせり上がり、ヘリが吊るされたロープへ掴まり飛び立つ・・」
「あなたなら出来るわ景吾
良い選択をしましたね!」
瑛子さんは静かに微笑みます。
「それから氷帝テニス部の皆さん・・・
景吾の応援頼みますね♪」
等身大の母親の顔も見せながら、
そのまま飛び去って行く瑛子さん・・
「あん?お前らいつから・・・」
☆・・・・・・★・・・・・・☆
入江(ボク達が一生涯手に入れられない輝きを
彼は屈辱と努力にまみれながら磨き輝き続け解き放とうとしている)
ゲーム&2セット日本 7-5!!
雄たけびを上げる跡部・・・
盛り上がる日本ベンチ
入江のもとへ歩み寄りハイタッチを交わす・・
入江の返答に、
跡部はこう答えた。
(格好良く・・・生きる
それがキミなんだね)
「さぁ最終セットだ!!」
遂に、最終セットで、具現ではないロミオと跡部の戦いが始まる!
次号へ続く!