天から与えられたテニスというギフトを大切に抱きしめる。





決意し、更なる進化を遂げようとする不二にリョーマは追い詰められた。


不二、あと1ゲーム・・・



越前の全ての技が返されている。

リョーマ(にゃろう・・・流れを変えてやる!!)

不二(流れは変えさせないよ!!)


不二から仕掛けられたロブ・・・

あの時のように、仕掛けられた不二からの挑戦状・・・

リョーマの選択肢・・


COOLドライブ・・・か・・!?

(駄目だ! ドライブ回転が増すほど
『つばめ返し』の威力が増してカウンターで帰ってくる!!だったら)


通常のスマッシュを放つ!

『葵吹雪』でスマッシュにスマッシュで来るなら・・・)


対策頭の中で出来ている・・・しかし・・



3種の返し技『羆落とし』

まるでリョーマの施行を読み切るかの様に裏をかく・・

「くそう そっちかよ!!」


しかしなんとか返球するも後ろへ下がらされたリョーマへ前へ落とすドロップショット。


0-15!!



リョーマ(常に俺の一歩先を・・・流石っスよ)


攻め続けるリョーマに容赦なく、ラインギリギリへの『白鯨』・・・
いや、ボールは戻ってこず、そのまま跳ねていく・・


リョーマ「(いや『白龍』だ!!)

うおおおおおおおーっ!!」


飛びついて返球するも、更に逆ラインへのショット・・・



0-30!!




そして目を閉じる・・・


切原「『心の瞳』だ!!」


千石「ワザとネットに当てて入れたぁ!?」


リョーマ(・・・にゃろう そっちがその気なら俺だって!!)


リョーマもわざとネットインで返球する



改めて選手たちを驚愕させる


千石「な なんて試合巧者だ不二周助・・・越前くんの常に先を・・・!!」


乾「不二はコレを狙っていたんだ・・・」



ネット前に落ちたボールは、無情にもリョーマの目の前を高く天高く舞う・・

第6の返し技『星花火』


しかし乾は気づく・・

「ボールの落下は不規則じゃない!?
摺鉢状じゃないこのコートでは風が舞って無いから・・・」


読み切ったうえで狙い撃つリョーマのスマッシュ!


しかし惜しくもアウト・・・



0-40!!

不二、マッチポイント!!



あと1ポイント・・・そこに大粒の雨が舞う・・・




リョーマ「まさか・・・逃げないよね?」


不二「フフ・・・この程度の雨ならまだ出来るよ」



大石(あの時と同じだ)



リョーマが動く・・・


ラケットを・・・


切原「(右手に持ち替えた!?)そんなの今更効かねーだろ・・・何で!?」


不二
(懐かしいね 最後はツイストサーブかい・・・

キミが入部して来た時から本当に驚かされっぱなしだったよ

彗星の様に表れた新入生

時には先輩のお株を奪い、

そして誰より負けず嫌いNo.1

いつも無茶ばかりするけど

それは第式な仲間を支える為

そしてキミは

絶体絶命になればなる程強くなれる!)




ツイストサーブの回転を無にする選択・・・


第4の返し技『蜉蝣包み』


リョーマ(相手の打球の回転を一切無くし
相手が届かない場所へ的確に返すカウンター)


木手「知念君くんや平古場くんが言ってましたよ

打球は近くにあるのにボールに永遠に近づけないと」


届かない打球・・・しかし。。。


雨で濡れたコートで水を掴むがごとくその雨で溜まった水溜りを滑りながら打球に追いつく!




15-40!!

リョーマ「カモォォン!!」



切原「マ マジかよ・・・」

白石「ワオ それでこそ越前クン」

乾「雨の水溜りを利用し滑る事で
通常なら決して届く事ない打球に追いついた」




不二「これでボクのカウンター全て返したね越前」


リョーマ「な〜んだ・・・バレてたんスね♪」


大石「そう言えば・・・越前はすべての技を封じられてたけど
同時に越前も不二のカウンターを全て攻略していたんだ」




★・・・・・・★・・・・・★


ゲーム5-3 越智&毛利ペア!!




D1の決定戦・・・

マスクマンJ「お前達まさか・・・!?」



毛利「能力共鳴(ハウリング)よぉ」

越智「これがダブルスを選んだ俺の答えだ
・・・・・・平等院」




毛利「「んじゃ月光(つき)さん・・・最後はサーブ4本で頼んます♪」


マスクマンH「あ〜ん?」



遠野「越智の『マッハ』をたちえかえせとしても・・・
長身の毛利のポーチの餌食だ!!」



マスクマンH(そんなこと分かってるよな マスクマンJ)


マスクマンJ(あたぼうよ マスクマンH!)


毛利へ直接強烈な打球を鬼人となって狙う事を目論む4も!


しかし・・・

マスクマンJ「『マッハ』じゃない!?」



越智「『ワープ』だ」


ゲームセットウィンバイ越智&毛利ペア 6-3!!


超高速サーブは完成ではなかった。
まだ進化を続ける越智・・・。


マスクマンH「越智がダブルスプレイヤーとして
相方の素質を最大限に引き出す目を持っているのは解っていた」

マスクマンJ「あえて煽りやがったな」



毛利「負けたマスクマンは覆面脱ぎんせーね」

マスクマンJ「仕方ねぇなぁ!!特別に・・・」

越智「さして興味はない」


これでD1が 越智と毛利に決定!


★・・・・・・★・・・・・★★・・・・・★


マッチポイントのゲームを潜り抜け、タイブレークまで盛り返したリョーマ



不二が、先に仕掛ける!



風の攻撃技  『狐火球』



「(最後に所見の切り札を さすが不二先輩)でも流れは断ち切らせ・・・」


ショットに向かうも、当たらない・・・


(この打球 少しの風圧にも待ってしまう)



不二「その打球は打てないよ



勝つのはボクだ!!」



リョーマをすり抜け、勝負が決まったかに見えた刹那・・・


リョーマの脳裏に浮かぶリョーガの姿。


天の気まぐれが、

風が吹かせた・・・


少しの風圧でもゆらりと蠢く不二のその打球は、


ラインより少し、外に静かに着地した。




ゲームセットウォンバイ越前 7-6!!



ラインを挟んで握手を求める不二



しかし、握手に応じずに不二を見つめるリョーマ・・


問いかけたのだった。



リョーマ「ねぇ・・・テニス辞めないよね?」



不二「・・・・・・どうして?


やっと面白くなってきた所なのに」


いつも通りの不二の微笑み。

その返事に納得したのか、

リョーマも静かに手を差し出し試合後の検討を称えあった・・・



S2 越前リョーマに決定!




来月へ続く!!