「越前と全国で戦ってから色々あったようだな」
「ふふ・・・お互い様だろ手塚?」
この試合、始めて交わす言葉。
手塚ゾーンを封じたところで動揺など見せない。
次の1ポイントを取りにいくため・・・
天衣無縫の極みで構える。
ボルグ「矜持の光(ショトラルツショトラール)」
Q.P「クミニツが言うにはアレ日本では『天衣無縫の極み』と呼ぶようだな」
ジークフリート「チッ 矜持の光になれねぇ奴なんか瞬殺だろ・・・なぁクニミツ?」
切原(どいつもこいつも天衣無縫になりやがって)
いつでも出番が来てもいいように、
自分がさらなる高みへ行くためにリョーマと打ち合っていたドイツ戦前日。
リョーマ「もう諦めたら?」
切原「クソッ!!何で俺は天衣無縫になれねーんだよ!
ちくしょう・・・ ちくしょう・・・」
真田「幸村からの伝言だ
天衣無縫にならなくてもテニスを諦め2なくていい事を自分が証明する」
その伝言が、手塚を見る赤也の目に映るなか、フラシュバックした真田の言葉
「赤也・・・立海テニス部部長としての最後の助言だ
最後の一球までその瞳に焼き付けろ」
幸村がサーブを放つ・・・もろともせず天衣無縫に手塚がのリターンエースが幸村のコートを抜き去る」
リョーマと戦い、覚醒した時のように、瞬く間に1ゲームをあっさりと返される。
堀尾「やっぱり強い まさか手塚部長が日本代表の前に立ち塞がるなんて・・・
何で手塚部長日本の勝利を邪魔すんだよ!?」
河村「手塚はプロになる為・・・覚悟を持ってドイツに渡ったんだ」
菊丸「プロへの条件としてU-17杯で勝ち続けることをブルグプロに言われたみたいだよん」
桃城「この試合俺たちはーーー
どっちを応援すりゃいいんスか?」
海堂「日本に決まってんだろこのタコ!!」
桃城 「何だと お前は血も涙もねーのかよマムシ!」
海堂「てめぇは手塚部長から何を教わったんだ?」
跡部「日本の為でもドイツの為でもねぇ
奴は自分の為に戦ってんだよ」
ゲームドイツ 2-2!!
2ゲーム連取。
日本代表の中学生達が言葉を失う。
不二「今の手塚には・・・・・・・・・
ボク達が束になっても敵わないのかもしれない」
金太郎「何でや 眼鏡の兄ちゃんの五感奪ったらええやん?」
乾「無理だよ遠山君
奪える確率は0.3%・・・たとえ奪えたとしても
天衣無縫で元に戻れてしまう」
打球に追いつくのがやっとの幸村・・・
切原「・・・何だよ―ー――・・・してくれるんじゃねーのかよ・・・
証明してくれんじゃねーのかよ幸村部長―――っ!!」
しかし徐々に・・・確実に・・・対応し始める幸村・・・
天衣無縫の極みとやり合うには
相手の輝きにのみ込まれない事が絶対条件だ
その光やオーラにのまれた時点で委縮してしまい自分本来のプレーすら出来なくなってしまう
自陣に帰ってきた打球にのみ神経を研ぎ澄まし
1球1球返すことだけの集中するんだ!!
ドルギアス「いつの間にか互角に打ち合ってやがる
天衣無縫な野郎相手に・・・」
ノア「凄いね彼・・・兄さんでも天衣無縫委の相手には圧倒されたのに・・・
何故圧倒されないんだろう?」
徳川「幸村くんは今 自陣に来たボールを返すことしか頭にない 何故なら−−−
彼は自分の五感を奪ったから」
鬼「自ら五感を放棄することで
テニスの必要な感覚のみ高めていってるって訳か
・・・とんでもねぇ奴だな」
徳川「そう・・・・・・あれが幸村くんの天衣無縫対策
『零感のテニス』
幸村くんは天衣無縫に極みにどうやらトラウマを抱えていた様だ」
柳「確かに・・・」
全国決勝・・・絶対王者の長として立ちはだかる筈の自分が、
何も恐れずに、テニスを楽しみながら立ち向かってきた。
やがてその少年は覚醒し、自分は圧倒されていった。
(信じられなかった
中1に翻弄され 手も足も出ない 不甲斐なさに・・・何度も心が折れかけた・・・
しかし思い返せば俺が中1だった頃多くの上級生を圧倒しイップスに陥った選手がテニスを辞めていった
彼らもきっと同じ気持ちだったんび違いない・・・
あの日返せなかった打球
圧倒されて動くこともできなかった返球
それをひとつづつ返球していく
五感を自ら奪ったのは、絶望するためじゃない。
テニスを諦めないために・・・
真田「幸村は今・・・過去の己を清算しているのだ」
手塚国光に・・・い、今の幸村、天衣無縫に打ち勝つために・・・
ゲーム日本 6-5!!
間違いなく、その試合を刮目していた。
あの日、自分が背負ってきた、柱を、優勝を託した彼の力を見届けた手塚。。
顔色一つ変えない手塚がすぐに気づいた。
手塚「俺に越前を・・・重ねた様だな」
手塚の表情とは相対的に、
大きく伸びをして自然な笑顔で、吐き出す。
幸村「あ〜〜〜っ スッキリした」
トラウマを抜け出した幸村にどんな試合を見せるのか!?
来月へ続き。