試合が始まり、打ち合いが続く中、ショットを決める度、ポーズ合戦が続く・・・。
バルドー、モロー、そして君島・・・。
ショットが決まり、ポーズを付けるたびに会場はおおきに盛り上がる。
それは等しく、君島にも黄色い歓声が注がれる会場・・・テニス会場ではなかなかありえない・・・
黙々とポイントを取り合う中でも、日本は君島のサービスでしかゲームを奪えず。
第1セットのゲームは 5-2のフランスリードと後がない。
そしてモローのショットが白石の横を通り抜けファーストセットは6-2とフランスがとる。
靴ひもを結びなおし、ベンチに座る白石。
君島が、種ケ島の持ち掛けられた交渉・・・
君島「時間稼ぎ・・・?」
「蔵ノ介(ノスケ)が自分のテニスを見つけるまでの間でええ」
ですが残念・・・タイムリミットです
白石君とこのまま心中しこの大事な初戦を落とす訳には・・・
そう思ってた矢先、白石は自分なりの分析をしていた・・
「イケメンはオール6・・・
パリコレはテクニックが7
スピード、メンタル・・スタミナは6・・・
そしてパワーは5といったとこやな・・・・・・」
このまま、落ち込み続けていたら君島は一人で戦うことを選択していただろう・・・
しかし、可能性があるから、交渉というものは有効に働くのだ・・・
「白石君・・・
Shall we negotiate...?」
「白石君 私と交渉しませんか?」
「・・・え!?」
「フランスはあなたを甘く見ています
このセカンドセット最初のポイント 私が必ずチャンスを作ります
ファーストセットでフィニッシュを1本も決められなかったアナタが決める事でフランスの意表を突き
一気に流れを変えましょう
ただし・・・・・・最初のポイントをもし落とす様な事があったら
流れは二度と日本に戻りませんよ!!」
君島も勝負所を嗅ぎ分けた。
流れを変えるためにも必要な1ポイントだ。
迎えたセカンドセット。
君島が強引にポーチに出て上がるロブに、当然の如く逃さずスマッシュを打ち込むモロー!
『一つ・・・水面のように』
スマッシュのコースを読み切りやはり君島は強引にポーチで返球する!
「中学生に見切りをつけたのかキミジマ?」
「フランスに勝つためなら」
コート後衛で耐える君島を見つめる白石が気付く様に目を見開く!
「一人で勝てりゃ苦労しないぜ♪」
バルドーが飛び上がる・・振り下ろす様に君島へ打ち込む
強力なショットにラケットをはじかれ上空へ・・・
「この広いダブルス一人を一人で守るのは不可能だぜキミジマ!」
はじかれたラケット・・・
ジャージを投げ上げ宙に舞うラケットを捉え、網で覆うように巻取り再びラケットを手の中へ・・・
『一つ・・・蜘蛛の巣のように』
この返球すら読み切るパリコレ・・・
固い前衛がいるとき
それを超えるには・・・
前衛が奮闘する事で対戦相手はロブを打たざるを得ない
「・・・あの時もそうでしたよね?」
狙い通りのロブが上がる・・・
そう・・・・・・ワンダーキャッスルと大ハブによって作り上げられた戦術のように・・・
『一つ・・・城壁のように』
「・・・さぁ白石君 約束の一球です」
交渉に差し出されたカード・・
それに応えるかのように白石が放つ両手打ちのパワーショットを放つ!
バルドーがネット前で返球するも、威力に押されてラケットごと吹き飛ぶ!
再びロブが上がり君島が構える!
「させるかよキミジマ!!」
流れを渡すまい、君島の所作を見逃さない。
返球し打ち合いを建て直せばそれでいい・・・
しかし、心の隙間、
注視していなっかった君島の相棒のショット・・
意表を突かれフランスの二人の間を白石のスマッシュが射抜く!
「ん----っ絶頂!」
久々に出た決め台詞!!
白石完全復活なるか!?
次号に続く!!